当サイトの更新情報をお届けします!フィードの購読はこちらから。
任意整理はこうして行なう
任意整理の方法は、簡単にいえば業者と交渉して債務を減額し、一括弁済あるいは月々の分割弁済によって支払っていくというものである。
具体的な方法としては、債務者の収入から生活費を除いてどれくらいの額を借金返済に回すことができるかを検討し、
利息制限法(後述)の制限金利で計算し直して残債務を確定する。
こうして一括弁済、あるいは3〜5年の分割返済案をまとめ、貸金業者と交渉するのである。
債務整理を依頼され受任すると、
債務調査 → 債務確定 → 整理案(弁済案) → 業者との交渉 → 整理案に対する業者の合意 → 弁済の開始、
という手順で任意整理をする。
債務調査は、債務者が持っている借用書、領収書、振込金受取書(銀行送金の場合)に基づいて、それぞれの貸金業者からの借受金額、借受年月日、返済金額、返済年月日をまとめ、債務調査書を作成する。
借用書や領収書などが依頼者(債務者)の手元にない場合は、直接貸金業者に照会するか、業者に債務調査表を送付し、回答を求めるという方法で調査をするのである。
このような任意整理が可能な理由は、ほとんどの貸金業者が利息制限法以上の高利をとっていること、
また、このままいけば自己破産するしかなく、そうなれば貸金業者は貸した金をほとんど回収できなくなるため、任意整理に応じるのである。
なお、任意整理は本人でもできないことはないが、債権者であるクレジット・サラ金業者などとの交渉が必要であるため、できれば専門家である弁護士に依頼することをおすすめする。
カテゴリー:任意整理
任意整理の交渉
任意整理の交渉は、債務者自身が言い出そうものなら、
「そんなことを言う前に、全額耳をそろえて返せ」
と業者に言われかねない。
また、身内に交渉を頼んでも、そこは相手はプロ、
「借りたものは返すのが常識でしょう」
などと言われて結局、業者の言いなりになって全額を支払う場合が多い。
身内が全額を返すと、業者からはお得意さんとみられ、借金した当人のほうは、その後も同じようなことを二度、三度と繰り返すケースが多い。
借りている側に弱みがあるから仕方ないと思うかもしれないが、実は業者側にも弱みがあるのである。
債権回収の鉄則に「ない者からは取れない」というのがある。
返済能力がないからといって、まさか強制労働や売春などを強要することはできないし、かといって債務者の身内に請求すれば貸金業規制法違反で処罰されかねない。
さらに、自己破産でもされたら、ほとんど回収は不能である。
要するに、業者にも弱みがあるのである。
要は、実情を話して、粘り強く交渉することである。
そのためには、交渉の方針というものが必要になってくる。
ここで、弁護士が任意整理を行なう場合の原則を述べよう。
(1)利息制限法に基づき債務を計算し直して、この金額を基に交渉する。
業者は「みなし弁済規定」の適用を主張するが一切認めない。必要があれば、取引経過の開示を求める
(2)期限の利益の喪失(1回でも支払いが遅れたら全額=炭に返す)の主張や遅延損害金(通常利息の2倍)の主張は一切認めない
(3)分割弁済においては、完済までの将来の利息は一切つけない
(4)cに基づき債務を計算し直した結果、過払いとなっているときは、必ず過払金の返済を求め、場合によっては過払金返還請求を起こす
(5)交渉過程で悪質な取立てを行なう業者に対しては、行政処分の申立て、刑事告訴、取立て禁止の仮処分、慰料請求訴訟の提起などを行なう。
なお、これは債務者が弁護士に任意 整理を依頼した場合で、業者に受任通知が届いた後は、債務者本人に対して返済の請求をすることは禁止されているからである。
作意整理は交渉事である。
要約ではこうなっている」「法律ではこうなっている」等々の主張が業者側から当然出てくるが、一度決まったものを変えてはいけないというものでもない。
しかし、交渉事である以上、支払いが少なければ少ないほどいい、などといった主張では相手は納得してくれない。
どうしたいかという方針は事前に決め、その線にそって根気強く交渉することである。
なお、複数の業者から借金がある場合には、全部=炭に任意整理することである。
納得しない業者によって、給料等の差押えがなされたりすると、
一部の業者との任意整理の話がついていても返済計画の実行が困難になるからである。
カテゴリー:任意整理
任意整理以外の債務整理法もある
債務額がそれほど大きくない場合の債務整理の方法としては、任意整理のほかに、民事調停による債務整理の方法がある。
調停では、調停委員会が利息制限法により債務額を計算し直して分割弁済または一括弁済の合意が成立するよう斡旋してくれる。
調停は、ある意味では裁判所を通じた任意整理といえるのである。
調停は簡易裁判所に調停申立書を提出して行ない、裁判所の調停委員会が申立人(債務者)と相手方(クレジット・サラ金業者など)の主張を聞いて、事実関係を調査しながら合意が成立するよう斡旋し、合意が成立したら調停調書が作成される。
この調停調書は確定判決(訴訟における判決)と同義効力を有することになる。
調停の申立先は、相手方の住所・住所・営業所・事務所などを管轄する簡易裁判所であるが、多重債務者で借入先が数社あるときは、
一部の債権者が管轄外であっても、一つの裁判所に集中させて調停を行なってくれる。
また、調停申立てはクレジット・サラ金会社などの代表者を相手方として行なうことになるが、その際、会社の住所や代表取締役がわからないときは、監督官庁である大蔵省財務局や都道府県担当係に問い合わせれば教えてくれる。
調停費用は、申立価格(債務額)に応じて決まっていて、
30万円までの部分は5万円ごとに300円、
30万円超100万円までの部分は5万円ごとに250円、
100万円超の部分は10万円ごとに400円などとなっている。
ちなみに、調停の申立額(債務額)が100万円の場合は5300円、200万円の場合は9300円、300万円の場合は1万3300円で、この額の印紙を調停申立書に貼付することになる。
また申立ての際、一定の郵券が必要である。
調停の申立書の書き方などがわからないときは、弁護士会の法律相談を活用して、調停手続きを進めるのもよいし、
印紙代、予納郵券などがわからないときは簡易裁判所の窓口で聞けば教えてくれる。
なお、債務がすでに完済されているのに返済の請求が続いていたり、「みなし弁済規定」が適用されない業者から、利息制限法で計算し直した結果、
債務が存在しないのに請求が続いている場合は、債務不存在の確認訴訟を起こす方法もある。
また、過払いになっている場合は、不当利得(過払金)返還請求訴訟が提起できる。
このような方法は、任意整理と異なり、裁判所を積極的に利用して、債務整理などを図ろうとするものである。
最近はこのような債務整理を求める民事調停の申立ては増加傾向にある。
カテゴリー:任意整理
任意整理で借金を整理した実例
毎日毎日、借金の取立てがあり、返済金をどう工面しようかということがいつも頭から離れない人にとって、
任意整理に果たして業者が応じるのかという疑問を持つ人もいることだろう。
しかし、弁護士が受任して任意整理を行なえば、意外と貸金業者は応じてくるもの。
それは業者側にしてみれば、このまま借金が増えつづけると自己破産となり、ほとんど回収は不可能になる。
それなら今、任意整理に応じたほぅがよい、という思惑があるからだ。
ここで、実際に任意整理はどう行なゎれているか、一つのケースを紹介しよう。
交通事故がきっかけで借金が雪だるま式に…、
Aさんは30歳の会社員で手取り月収 20万円くらいである。
数年前、交通事故を起こしたことがきっかけで、損害賠償金などの支払いのためにサラ金やクレジットから借金する羽目に陥ってしまった。
その後、サラ金やクレジットに対する支払いのために生活費等も不足するようになり、サラ金やクレジットから新たな借金を続けるとともに、週刊誌の広告で知った紹介屋や買取り屋も利用。
借金は雪だるま式に膨れ上がってしまった。
その後、運の悪いことに勤務先の会社の事故で重傷を負い、入院することになってしまった。
Aさんの負傷を機にAさんの父親が私の事務所に相談に訪れたとき、Aさんはサラ金会社7社、信販・クレジット6社の合計13社から合計約500万円の債務を抱えるようになっていた。
Aさんは、入院リハビリ冶嶺が約1年間かかる見通しであったが、幸い職務中の事故であったため、勤務先の会社は解雇されずにすむことになった。
Aさんの負債の整理については、Aさんが自己破産は避けたいという意思が強いこと、Aさんの負債の返済については、Aさんの父親やAさんの兄弟が全面的に協力をするというので、一括弁済の任意整理を行なうことになった。
弁護士の事務所でAさんの債務を利息制限法に基づいて計算するとAさんの残債務は13社で合計約440万円となった。
債権者に対しては、Aさんが会社で重傷を負い、入院リハビリ中であること、返済金はAさんの親族が提供したものであることを説明したうえで、
利息制限法に基づいて計算した残債務の約7割を一括弁済する旨の提案をしたところ、すべての債権者の同意が得られて、無事解決することができた。
債権者に支払った金額は13社合計で約300万円であるので、もともとの債権者の請求額(約500万円)と対比すると、債権者の請求額の約6割で解決したことになる。
信販会社から「訴訟決定通知書」が…、
平成8年7月30日、G信販会社より「訴訟決定通知書」が送られてきたという老女Bさん (84歳が弁護士に相談をした。
G信販会社の平成8年6月7日付の「訴訟決定通知書」を見ると、元金68万2469円と利息64万2356円の合計132万4825円を直ちに払わないと東京簡易裁判所に本訴申立てをするという脅しに近い内容の督促状となっていた。
Bさんの話を聞くと、G信販会社とは昭和57年3月20日からの取引であり、平成5年10月18日頃まで返済してきているとのことであった。
弁護士の事務所でG信販会社に対し介入通知を出し、Bさんの取引経過、支払経過を調査した上で利息制限法に基づいて残債務を計算したところ、
平成5年10月19日現在で120万9510円の過払いとなっていることが判明した。
そこでG信販会社に対し、平成8年8月1日、120万9510円の過払金請求を求める通知書を出したところ、G信販会社が拒絶したので、
平成8年10月18日、東京簡易裁判所に過払金の返還を求める支払督促の申立てをした。
Bさんの支弘督促申立てに対し、G信販会社が異議申立てをしてきたため、裁判は通常訴訟に移行したが、
最終的にはG信販会社のほうから和解金として平成9年1月31日までに金100万円を支払うので訴訟を取り下げて欲しい旨の申し入れがあったため、G信販会社に金100万円を支払わせて、訴訟は取り下げることになった。
カテゴリー:任意整理
債務を減額できる理由は、利息制限法にある
任意整理により債務整哩を行なう場合、まず、利息制限法の制限金利によって計算し直す作業を行なうことになる。
というのは、前述したように、ほとんどのクレジット・サラ金業者は利息制限法に定める制限金利以上の利息をとっているからである。
利息制限法に違反しても処罰規定がないため、サラ金業者はほとんど利息制限法の制限金利を守っていない。
出資法では年間40.004%以上の金利をとると3年以下の懲役、300万円以下の罰金に処せられるので、サラ金業者は出資法の制限金利以下で営業しているのだ。
貸金業規制法の中には、債務者が利息制限法の制限金利を超える利息を支払った場合でも、一定の要件を満たせば有効な利息の弁済とみなす規定(この規定は「みなし弁済規定」といわれている)があるが、
この「みなし弁済規定」が適用されるためには、
(1)登録を受けた貸金業者であること、
(2)債務者が利息として任意に支払った場合であること、
(3)貸金業者が貸金業規制法の定める契約書面を債務者に交付していること、
(4)貸金業者が弁済を受けたときはそのつど貸金業規制法の定める領収証を債務者に交付していること、
などの要件をすべて満たさなければならない。
なお最近、貸金業者が競って導入しているATMによる返済で、東京地方裁判所は機械による返済は任意に支払ったとはいえないとして、「みなし弁済規定」の適用を否定している。
このように、みなし弁済規定が適用されるためには多くの制約があること、また任意整理はもともと支払困難に陥った多重債務者の示談・和解交渉であることなどから、
利息制限法の制限金利で計算し直して任意整理を行なうことが可能となり、債務を減額できる。
さて、利息制限法によれば元本が、
(1)10万円未満の場合は年利20%
(2)10万円以上100万円未満の場合は年利18%
(3)100万円以上の場合は年利15%
を超えると、利息は超過部分につき無効と定めている。
ただし、支払いが遅延した場合は、前述の規定の2倍までの遅延損害金の定めは有効とされている。
利息制限法の制限利率を超える場合、その超過部分はまず元本に充当され、その結果、元本が完済になった後の過払分は返還請求をすることができることになっている。
利息制限法に基づく残元金を確定する計算方法は、
元金×(1+利息制限法所定利率×日数/365)− 支払額=残元金
となり、この残元金を次の元金として同様の計算を繰り返して、最終的な残債務を確定する。
こうして計算していけば、債務の額は少なくとも2〜3割は減額され、多い場合は5割ぐらい減額できることになり、場合によっては、過払金の返還請求ができることもある。
このように、利息制限法は任意整理をする場合の伝家の宝刀なのである。
カテゴリー:任意整理


