債務を減額できる理由は、利息制限法にある
任意整理により債務整哩を行なう場合、まず、利息制限法の制限金利によって計算し直す作業を行なうことになる。
というのは、前述したように、ほとんどのクレジット・サラ金業者は利息制限法に定める制限金利以上の利息をとっているからである。
利息制限法に違反しても処罰規定がないため、サラ金業者はほとんど利息制限法の制限金利を守っていない。
出資法では年間40.004%以上の金利をとると3年以下の懲役、300万円以下の罰金に処せられるので、サラ金業者は出資法の制限金利以下で営業しているのだ。
貸金業規制法の中には、債務者が利息制限法の制限金利を超える利息を支払った場合でも、一定の要件を満たせば有効な利息の弁済とみなす規定(この規定は「みなし弁済規定」といわれている)があるが、
この「みなし弁済規定」が適用されるためには、
(1)登録を受けた貸金業者であること、
(2)債務者が利息として任意に支払った場合であること、
(3)貸金業者が貸金業規制法の定める契約書面を債務者に交付していること、
(4)貸金業者が弁済を受けたときはそのつど貸金業規制法の定める領収証を債務者に交付していること、
などの要件をすべて満たさなければならない。
なお最近、貸金業者が競って導入しているATMによる返済で、東京地方裁判所は機械による返済は任意に支払ったとはいえないとして、「みなし弁済規定」の適用を否定している。
このように、みなし弁済規定が適用されるためには多くの制約があること、また任意整理はもともと支払困難に陥った多重債務者の示談・和解交渉であることなどから、
利息制限法の制限金利で計算し直して任意整理を行なうことが可能となり、債務を減額できる。
さて、利息制限法によれば元本が、
(1)10万円未満の場合は年利20%
(2)10万円以上100万円未満の場合は年利18%
(3)100万円以上の場合は年利15%
を超えると、利息は超過部分につき無効と定めている。
ただし、支払いが遅延した場合は、前述の規定の2倍までの遅延損害金の定めは有効とされている。
利息制限法の制限利率を超える場合、その超過部分はまず元本に充当され、その結果、元本が完済になった後の過払分は返還請求をすることができることになっている。
利息制限法に基づく残元金を確定する計算方法は、
元金×(1+利息制限法所定利率×日数/365)− 支払額=残元金
となり、この残元金を次の元金として同様の計算を繰り返して、最終的な残債務を確定する。
こうして計算していけば、債務の額は少なくとも2〜3割は減額され、多い場合は5割ぐらい減額できることになり、場合によっては、過払金の返還請求ができることもある。
このように、利息制限法は任意整理をする場合の伝家の宝刀なのである。
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