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免責決定後のデメリットは二つ
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免責はどのように決定されるのか
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リストラ、倒産の巌が破産者を急増させている
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自己破産では保証人こそが大悲劇
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自己破産手続き中の強制執行にはどう対応するか
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住宅がある場合の自己破産
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免責の決定・不許可はこうして決まる
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自己破産の申立ての費用と弁護士費用はどれくらいか?
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自己破産は免責を得ることが目的
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自己破産のデメリットは意外と少ない
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自己破産は借金地獄に陥った人の救済制度
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自己破産の手続きは本人でもできる
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免責決定後のデメリットは二つ
破産者が免責決定を受けると自由の制限や資格制限など破産者のさまざまな不利益も解消するし、破産者の借金も免除される。
免責決定後に残る不利益は次の二つだけである。
一つは、破産宣告を受けると信用情報機関に事故情報として登録されるので、5〜7年間は銀行やサラ金から融資を受けたり、クレジット会社からのカードの発行を受けることが制限されること。
しかし、これは破産者が生活の建て直しをしていくうえでは、かえっていいことかもしれない。
二つめは、免責決定を一度受けると、その後10年間は原則として免責決定が受けられなくなることである。
しかし、これら二つは、あまり大したデメリットではない。
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免責はどのように決定されるのか
自己破産して免責を得るための二つのポイントをあげておこう。
一つは、「破産宣告」がなされるかどうかの判断である。
破産宣告がなされなければ、次の段階の免責手続きへと進めない。
裁判所が債務者に破産宣告をするためには、債務者(破産申立人)が支払不能の状態にあることが必要である。
この支払不能とは「債務者が弁済能力欠乏のために即時に弁済すべき債務を一般的かつ継続的に弁済することができない客観的状態」とされている。
債務者の財産・職業・給料・信用・労力・技能・年齢・性別などを総合的に判断してケース・バイ・ケースで認定されるが、
債務者の支払能力を考えて3年間ぐらいで分割弁済できないような債務がある場合は支払不能ということになるだろう。
たとえば、平均年収200万円のサラリーマンやOLの債務総額が500万円だとする。
サラ金の金利は現在約30%程度であるから、月々の支払額は利息の分だけで12万5000円となり、他に特別な財産がないかぎり、支払不能の状態にあるといえる。
実際、月収20万円前後のサラリーマンやOLが債務総額350万〜400万円程度で破産宣告を受けている。
もちろん、債務者の収入が多い場合は、この程度の債務では破産宣告はなされない場合があるし、
これとは反対に債務者の収入がほとんどなく、生活保護を受けているようなケースでは、債務額が100万円以下であっても破産宣告がなされるケースもある。
もう一つのポイントは、「免責の決定」がなされるかどうかという点である。
先にも触れたが、免責とは裁判所に申し立てて、債務を免除してもらうことである。
しかし、この免責は無条件というわけにはいかない。
破産法366条の9に定める免責不許可事由に該当しないことが必要である。
浪費やギャンブルによる債務が多い場合は免責不許可事由とされており、事情によっては免責不許可になることも考えられる。
このような免責が不許可になると思われる場合は、自己破産の手続きによる債務整理ではなく、任意整理により借金の整理を考えることになる。
現状としては、自己破産申告をした人の大体95%くらいの人が免責決定を受けている。
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リストラ、倒産の巌が破産者を急増させている
Aさんは、コンピュータ関係の会社に勤務している。
数年前、田舎で事業を営む両親から、経営が厳しくなったので協力して欲しいと懇願されたため、消費者金融3社から50万円を借り、両親に送金することにした。
バブル崩壊後、経済不況のためAさんの勤務する会社もリストラや残業規制を行なったため、Aさんの給与も大幅に減ってしまい、
Aさんは両親のために借りたサラ金会社からの借金の返済が困難となり、クレジットカードやサラ金(消費者金融)のカードでキャッシングをして借金の返済にあてる自転車操業状熊となってしまった。
その結果、債権者17社から債務総額約700万円の債務を抱えるに至り、毎月の返済必要額も24万円くらいにまで膨れ上がった。
Aさんの当時の手取りは月収17万円ほどしかなく、これ以上借金の返済を続けることができないことは明らかになったので、弁護士と相談して、破産申立てをすることになった。
このAさんのように、多重債務に苦しみ悩んだあげく、自己破産を余儀なくされる人が急増している。
破産予備軍も150万人いるといわれ、カードローン地獄から抜け出す法に訪れる多重債務者は一向に後を絶たない。
多重債務者一人で、通常15社前後のクレジット・サラ金会社から700万〜800万円の債務を抱えており、中には厳しい催促、取立てを受け、家庭生活をメチャクチャにされたり自殺へ追い込まれる人も少なくない。
なぜ今、多重債務者が大量発生しているのか?
その大きな原因の一つとして、経済不況があげられる。
貸金・ボーナスカットによる収入減、リストラ・倒産による失業のため、
生活費が不足しクレジット・サラ金業者からの借入れに頼らざるをえなくなった生活苦型の多重債務者が急増しているのである。
リストラ、倒産の嵐が一向にやむ気配を見せない現在、A氏のたどった運命はいつ、誰の身にふりかかってもおかしくないのだ。
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自己破産では保証人こそが大悲劇
昨今の自己破産の急増は、多くの保証人を巻き込んでおり、本人が借金をしていないのに、厳しい取立てにさらされるという悲劇となっている。
弁護士の所に相談に来た事件で、こうした保証人の典型的のような例があったので紹介する。
Aさんは友人の保証人になったが、その友人は多額の借金を抱えて自殺した。
その借金は子供などの相続人に引き継がれるはずであったが、相続人が相続放棄をしたために、借金の取立ては保証人であるAさんに集中した。
ちなみに友人の子供たちは、生命保険は相続放棄とは関係がないので受け取っていた。
Aさんは仕方なく月々の返済をしていたが、支払いが遅延するときがあり、貸金業者の要求に応じて、嫁にいっている娘を保証人に立てた。
Aさんの支払いが続いているうちはよかったのであるが、やがてAさんも過労から病気となり、今度はAさんの娘に取立てが行くようになったのである。
まさにドラマのような話であるが、保証人の怖さはこれでわかってもらえたと思う。
保証人を頼まれる場合、頼みにくる人が子や親兄弟であったり友人であったりして断りづらいのはわかるが、情に流されず、断固断ることが大切である。
さて、本論の「自己破産したとき、保証人はどうなるか」ということであるが、自己破産・免責決定は保証人にはまったく影響を及ぼすことはない。
したがって保証人の責任はなくなることはなく、取立ては保証人に集中することになる。
さらに保証人にとって悪いことには、自己破産した場合、期限の利益が喪失し、債務者が抱えている借金を保証人は一度に一括して支払わなければならなくなる。
このように保証人に重い責任がのしかかってくるが、この場合、保証人に支払い能力がなければ、自己破産を考えざるを得なくなる。
特に、夫婦の一方が借金をし、もう一方が保証人になっているケースでは、夫婦そろって自己破産せざるを得ないだろう。
自己破産は保証人に多大の迷惑をかけるので、自己破産する人は、事前に保証人と十分に話し合うことである。
一方、保証人側としての対応は、次の三つが考えられる。
(1) 債務者とともに自己破産を申し立てる
(2) 債務者の自己破産と並行して、保証 人は任意整理をする
(3) 債務者に自己破産を断念してもらい、保証人と協力して任意整理する
いずれにせよ、保証人は自分で借金もしていないのに、保証した債務の金額を支払わなければならず、こんな迷惑な話はないだろう。
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自己破産手続き中の強制執行にはどう対応するか
債権回収の最終手段に強制執行というものがある。
これは相手の財産を差し押さえて、換価することにより債権回収を図るというものである。
最近、この強制執行という法的手段を使って債権回収を図ってくる業者がいる。
これは、裁判実務上の取扱いが破産手続きと免責手続きを別個の手続きと考え、免責手続き中の強制執行を認めているからである。
これには反対論も多い。
わかりやすく説明すると、免責の申立てをし免責の決定が出るまでに約5〜6ヶ月の期間があるので、その間に債務者の財産を差押え、競売などして債権回収を図ろうというのである。
差押えの対象となるのは、不動産・動産・金銭債権などがあるが、破産宣告後も所有している財産となれば、動産(差押禁止財産以外の家財道具など)とサラリーマンであれば給料などということになる。
では、こうした債権者の強制執行に対し、破産者はどう対応すればよいのだろうか。
訴訟提起をしたり強制執行手続きを行なおうとしている業者に対し、すでに裁判所で破産宣告と同時廃止決定が出ていることを、決定正本の写しを送付するなどして通知し、訴訟や強制執行の申立てを取り下げるように交渉することである。
実際は、すでに破産宣告と同時廃止決定がなされ、現在免責手続き中であることがわかれば、大部分の業者が訴訟や強制執行の申立てを取り下げるはずである。
なぜなら、もし債務者が免責決定になれば、業者のほうはその破産債権を損金処理できる税法上のメリットがあるからだ。
取り下げない業者に対する対抗策としては、業者が提起した訴訟手続きについては徹底的に争って引き延ばし戦術をとる一方で、
破産裁判所に対し、
「債権者が強制執行手続きをとってきているので、免責手続きを促進し、早急に免責決定を出してもらいたい」
旨の上申書を出すことである。
また、当初より債権者の訴訟提起や強制執行が予想される場合は、予納金はやや高くなるが、
同時破産廃止事件にしないで破産管財人を選任してもらい、管財事件にすることにより個別債権者の訴訟や強制執行を防ぐという方法もある。
とは言うものの、債権者が強制執行してきた場合は、破産者本人が対抗するのは大変なので、専門家である弁護士に相談するのが最善の方法である。
自己破産・免責手続き中の強制執行に関しては、
自己破産の趣旨である多重債務者の救済と生活再建という観点からすると問題であり、法改正も含めて改善すべき課題と考えている。
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住宅がある場合の自己破産
最近、住宅ローン破産が話題になっている。
住宅ローン破産の実態と破産に至る前の対策については、以前の記事で説明しているので、ここでは住宅ローンで破産した場合にどうなるかについて触れておこう。
まず、住宅ローン破産の道をたどった人の例から紹介すると、
都内の大手企業に勤める40代のサラリーマン・Aさんは、バブル時代に念願だった一戸建てを栃木県に購入した。
ローン返済のため貯金もできなくなったが、それなりに幸せだった。
ところがバブルの崩壊で収入は伸びず、2人の子が年子で誕生した。
生活のために手を出した借金がたちまち増えて1000万円を超え、住宅ローンの借金と合わせると6000万円にも達した。
そこで自宅を手放そうとしたが、売れたとしても住宅に設定した担保が抜けないような催しかつかず、結局、Aさんの自宅は競売を申し立てられた。
この例は典型的な住宅ローン破産である。
現代の中高年は多くの人が住宅ローンを抱えており、そのほか家電製品、車などもローンを利用して買う人が多く、破産と背中合わせといえる。
このような人たちが失業や収入減といった憂き目にあったり、本来喜ぶべき子供の出産などが重なると多重債務者になり、借金地獄の道を突き進むことになる。
さらに住宅ローンで苦しんでいる人にとって悪い状況は、一昔前なら「住宅ローンが支払えなくなったら売ればいい」ということがよくいわれたが、
現在は地価の下落で住宅を売っても借金は残るという状況だ。
こうした状況下でいっそのこと自己破産したほうがよいと考える人が多くなっているのも事実である。
さて、住宅がある場合、自己破産の申立てをし破産宣告がなされると、通常は破産管財人が選任されて、住宅などの財産の売却・換金・債権者への配当といった手続きがとられる。
破産者はせっかく手に入れた住宅・家財道具など一部の差押禁止財産を除いて処分される。
配当が完了すると計算報告のために債権者集会が招集され、その債権者集会が終わると、裁判所が破産終結の決定をして破産手続きは終了する。
この破産宣告から破産手続き終了までは少なくとも1年以上はかかり、換価が困難な不動産がある場合は数年もかかる例がある。
この場合、破産者として重要なことは破産終結までに免責の申立てをするということである。
住宅ローンで自己破産をする人の多くは、
「住宅を持つことが一生の夢だった。そのために一所懸命働いてきたのに…、」
と思う人がほとんどだろう。
しかし、借金地獄のなか、取立てに追われ、いずれは手放すことになる住宅を必死で守るより、財産もなく借金もない、きれいさっぱりした状態にして再起を図ることこそ大切である。
財産は新たにまた築けばよいのである。
なお、破産者はいずれ住宅は立ち退くことになるが、処分が決まるまでの間は住み続けることができる場合もあるので、破産管財人と相談して立退日などは決めるとよい。
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免責の決定・不許可はこうして決まる
自己破産の申立ては、最終的に免責を得るためにするのであるから、免責決定がなければ意味のないこととなる。
しかし、あまり心配することはない。
免責の申立てをした結果、免責の決定がなされたケースは約95%と、ほとんどの場合に免責決定がなされているからである。
免責は、裁判所が審理した結果、免責不許可事由がなければ、免責決定をしなければならないことになっており、免責不許可事由には以下のものがある。
(1) 破産財団(破産宣告時に破産者が持っていた財産)を隠したり、債権者に不利益に処分したとき
(2) 破産財団の負担を偽って増加させたとき(虚偽の抵当権をつけるなど)
(3) 商業帳簿を作る義務があるのに作らなかったり、不正確または不正の記載をしたり、あるいは帳簿を隠したり、破り捨てたりしたとき
(4) 浪費や賭博などの射倖行為で著しく財産を減少させたり、または過大な債務を負担したとき
(5) 破産宣告を遅らせる目的で著しく不 利益な条件で債務を負担したり、信用取引で商品を買い入れ、著しく不利な条件でこれを処分したとき
(6) 破産原因があるのに、ある債権者に特別の利益を与える目的で担保を提供したり、弁済期前に弁済するなどしたとき
(7) 破産宣告前1年以内に破産原因の事 実があるのにそれがないことを信じさせるために詐術を使って信用取引により財産を得たとき
(8) 虚偽の債権者名簿を裁判所に提出し、または裁判所に対し財産状態につき虚偽の陳述をしたとき
(9) 破産者が免責申立て前10年以内に免責を得たことがあるとき
(10) 破産法に定める破産者の義務に違反したとき
免責決定がなされるまでの期間は、東京地方裁判所の場合、同時廃止のケースで免責申立てから約5〜6ヶ月程度、
破産管財人が選任されるケースでは破産申立てから少なくとも1年以上はかかっているようである。
さて、この免責不許可事由のなかで、もっとも問題となるのがギャンブルやバー、キャバレーなどの浪費。
これは、過怠破産罪として前記(4)に該当し、免責不許可事由と認められるが、
このようなケースでも免責決定をするか否かの判断は裁判所に委ねられており、必ずしも免責不許可となるとは限らない。
バー、キャバレーでの女遊びやギャンブルで借金を重ねたケースで、裁判所が
「過怠破産罪にいうところの浪費または射倖行為に該当するとしても過大なる債務を負担したことにはならない」
として免責決定をしたケースもある。
つまり、借金のほとんどが女遊びやギャンブルによる場合は免責は無理だが、生活費や借金返済のための借入れが多くを占めるのであれば、
たとえ借金のきっかけが女遊びやギャンブルだとしても免責はなされるということである。
このように裁判所では、免責不許可事由に該当することを認めたうえで、破産者の生活再建を考慮して、裁量により免責を許可した例は多数ある。
なお最近、一部の裁判所では、免責の判断にあたって、浪費やギャンブルなどが問題となるケースについては、負債総額の1〜2割の任意弁済を勧告し、
破産者が弁済をしたときに免責を認めるという運用がなされている。
こうして免責を得た破産者は、破産債権者に対して残りの借金の金額について弁済を免れるが、一定の債権については免責の効果が及ばないものがある。
これを非免責債権といい、以下のものがある。
(1) 租税
(2) 破産が悪意をもって加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
(3) 雇人の給料請求権。ただし一般の先 取特権を有する部分(最後の6ヶ月分の給料・民法308条)
(4) 雇人の預かり金および身元保証金の返還請求権
(5) 破産者が知って債権者名簿に記載しなかった請求権。ただし債権者が破産の宣告を知っていた場合を除く。
(6) 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金および過料
これらの債務については、たとえ免責決定がなされたとしても支払わなければならない。-----
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自己破産の申立ての費用と弁護士費用はどれくらいか?
破産しようとする者から裁判所が申立ての費用を取るのは、一般的には過酷なことのように思われる。
しかし、現制度では破産申立てから免責決定に至るまで、同時破産の場合で約3万円、破産管財人が選任される場合は50万円程度の費用が必要となる。
まず、自己破産申立てに要する費用として、
(1) 破産申立書に貼る収入印紙代600円、
(2) 予納郵券代(東京地方裁判所の場合300円切手5組、80円切手60線、50円切手5線、10円切手10組の合計6650円。これは各地方裁判所により若干異なる)、
(3) 予納金(東京地方裁判所は、同時廃止の場合で2万円、破産管財人が選任される場合は5000万円未満の負債総額のときは50万円で、負債総額が大きくなれば予納金も多くなる。これも、各地方裁判所によって多少異なる)。
また、破産宣告がなされた後に免責の申立てをすることになるが、免責申立ての費用は東京地方裁判所の場合、申立書に貼付する印紙代300円が必要なだけである。
ただし、裁判所によっては予納郵券や予納金(3万〜6万円)を納めさせるところもあるので、事前に確認しておく必要がある。
今日、自己破産の多くは消費者(個人)破産であり、それもこれといった財産がないために同時廃止で占められているケースがほとんどである。
この同時廃止の場合の破産申立てに要する費用は、東京地方裁判所の例でいうと合計で2万7250円ということになる。
この同時廃止の場合はいいが、財産があり破産管財人が選任される場合は、最低でも50万6710円かかり、負債総額が多くなればもっと費用がかかることになる。
この他に、弁護士に自己破産を依頼するときには、弁護士費用が必要となる。
東京三弁護士会のクレジット・サラ金相談センターの場合、
自己破産申立ての着手金は20万〜30万円、また自己破産申立てをして最終的に免責決定が得られた場合、報酬金として同額(20万〜30万円)が必要となる。
そこで問題となるのが、この自己破産に必要な費用をどうやって捻出するかということである。
親などの身内に最後のお願いで出してもらうのもひとつの方法ではあるが、できればとにかく働いて貯めることである。
破産申立てをすれば、借金の取立ては止まるので、とりあえず申立てをし、裁判所に話して費用ができるまで破産の審理を待ってもらうこともできる。
この間、返済に回すための金額を自己破産申立ての費用に回せばいいのである。
もし、どうしても費用の捻出ができない場合は、財団法人法律扶助協会が費用の一部を援助してくれる場合があるので、各地の法律扶助協会支部で相談するとよい。
また、破産手続きの費用については、国庫による仮支弁の制度がある。
この仮支弁は、実際には予算措置が不十分であることや手続きが煩雑なことを理由に、国や裁判所はほとんど認めていないが、破産申立てをする権利は憲法で定めた「裁判を受ける権利」の一態様であり、
破産手続き費用すら捻出できない破産申立て人に対しては、手続き費用の国庫仮支弁は当然認められるべきだと考える。
「ダメでもともと」という気持ちで裁判所に申請してみるのもひとつの手である。
ここで注意を要するのは、この費用の捻出のためにサラ金からさらに借入れをしないということだ。
返済するつもりのない借金をすることは詐欺罪に問われかねない。
破産申立書や免責申立書の中で、破産申立ての手続き費用をどう捻出したか記載する欄があるので、サラ金から借りたとなれば問題となりかねないからである。
カテゴリー:自己破産
自己破産は免責を得ることが目的
債権者の取立てに追われ、精神的余裕がない場合、「自己破産」と聞いただけで、何だか難しい手続きがいっぱいあって大変だな、と思う人もいるだろう。
しかし、自己破産の手続きは意外と簡単なのである。
特に、これといった目ほしい財産がない場合には、破産宣告と同時に破産廃止決定がなされ(同時廃止という)、破産管財人が選任されて破産者の財産を債権者に分配するなどの手続きが不要となるので、こんなに簡単なのかと自己破産した人が思うほどである。
また、自己破産の申立てをすると、取立てがいっそう厳しくなるかもしれないと心配する人もいるだろう。
しかし、これは必要のない危惧で、破産申立て後に取立てを行なうことは大蔵省の通達で禁止されているので、
いままであった電話等による取立ても一切なくなり、むしろ平穏な生活が戻ってくることになる。
もし、破産申立て後も取立てが行なわれるようであれば、違法取立てとして都道府県の貸金業指導係などに苦情の申立てをするとよい。
カテゴリー:自己破産
自己破産のデメリットは意外と少ない
自己破産すると、一生まともな生活が送れないと思っている人がいるとしたら、これはとんでもない誤解である。
確かに自己破産の申立てをして破産者になれば、本人にとって一定の不利益は生じるが、破産宣告がなされ、その後免責されることによって復権し、破産前の状態に戻ることになるので、一般の人が考えるほどの不利益ではない。
つまり、特に不利益が生じる期間は、破産宣告がなされてから免責までの期間だけなのである。
では、破産者の受ける不利益とはどんなものだろうか。
まず最初に、破産者は破産宣告時に持っていた財産の管理処分権を失うことになり、財産の管理処分権は、破産管財人に属するということがあげられる。
ただし、破産宣告後に破産者が新たに取得した財産は、破産者が自由に管理処分でき、破産すれば生活ができなくなるということはない。
なお、債務者の財産が少なく同時廃止決定がなされた場合は、破産宣告時に持っていた財産の管理処分権は喪失しない。
次のデメリットは、破産者は拘束(自由の制限)を受けることで、その内容は以下のとおりである
● 説明義務
破産者は破産管財人や債権者集会の請求により破産に関し必要な説明をしなければならない。
● 居住の制限
破産者は、裁判所の許可がなければ居住地を離れて転住、または長期の旅行をすることができない。
● 引致・監守
破産者は裁判所が必要と認める場合には、身体を拘束されることがあり、逃走または財産を隠したり壊したりする恐れがあるときは、監守を命じられることがある。
● 通信の秘密の制限
破産者にあてられた郵便物などは破産管財人に配達され、破産管財人は受け取った郵便物などを開封できる。
ただし、同時廃止決定がされた場合は、以上のような拘束はされない。
最後に、公私の資格制限を受けるというデメリットがある。
● 公法上の資格制限
破産者は弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、税理士、宅地建物取引業者等になれない。
現に資格を有している人は資格停止となり、免責によって資格は復活する。
選挙権、被選挙権などの公民権は喪失しない。
● 私法上の資格制限
破産者は後見人、後見監督人、保佐人、遺言執行者などになることができない。
また、合名会社および合資会社の社員は退社事由となり、株式会社の取締役、監査役については退任事由となる。
以上が破産者の不利益の内容だが、破産者が免責決定を受ければ、これらの不利益はすべて解消することになる。
しかし、自己破産しようかどうか思 い悩んでいる人は、これ以外にも多く の不安があると思う。
そこで、私が偲頼者から受ける典型的な質問について触れておこう。
◆ 自己破産すると一生みじめな生活を強いられるのではないか?
破産宣告を受けると破産宣告時のめぼしい財産は破産管財人を通じて換価処分されることになるが、破産宣告後の収入はすべて自分のものとなる。
したがって一生懸命働けば、貯金をすることも、自宅を取得することもできるようになる。
◆ 戸籍が傷つくことはないか?
破産宣告を受けても戸籍や住民票に記載されることはない。
ただし、破産者の本籍地の市区町村役場の「破産者名簿」に記載される。
しかし、これは一般の人が勝手に見られるものではないので、心配する必要はないし、免責決定が出れば「破産者名簿」から抹消される。
◆ 会社をクビになることはないか?
破産宣告は官報に公告(掲載)されるが、会社に通知されるようなことはない。
また、万が一知られたとしても、解雇事由には該当せず、会社は破産を理由に解雇することはできない。
◆ アパートを追い出されることはないか?
家賃をきちんと払っていれば、追い出されることはない。
ただし、そのアパートの敷金・保証金が高い場合には、裁判所によっては敷金・保証金に相当する額を工面するよう言われることがある。
◆ 家財道具はどうなるか?
その家財道具や衣服が生活に欠くことのできないものであれば、それは差押禁止財産となり処分されることはない。
また、同時廃止の場合、一切の財産が処分されるということはない。
◆ 生命保険はどうなるか?
生命保険の解約返戻金がある場合は、解約して解約返戻金を債権者の配当に回すように言われることがある。
◆ 退職金はどうなるか?
破産したからといって退職する必要はないが、実務では退職したとすればもらえる金額の8分の1程度(東京地方裁判所の場合)を債権者に配当するよう言われることがある。
カテゴリー:自己破産
自己破産は借金地獄に陥った人の救済制度
「自己破産」という言葉が一般の人に知られるようになったのは、昭和50年代に破産が急増した「第一次パニック」といわれた時代からである。
そして、現在の「第二次パニック」の時代を迎え、すっかり「自己破産」という言葉は大衆化した感がある。
自己破産制度を簡単にいえば、裁判所が主宰して債務者(金銭債権では借主)の財産を債権者(貸主)全員に公平に分配し、
債権者(金銭債権では貸主)の公平な満足を確保すると同時に、破産した債務者の債務を整理し、債務者に生活再建と再出発のチャンスを与える制度である。
こう言えば何だか難しそうに思えるが、要するに借金の返済が不可能な債務者から財産のすべて(生活に最低限必要なものは別)を出させ、これを債権者に分配し、残った借金を免除するというものである。
破産には、昨今のバブル後遺症にみられるような「法人の破産」と「自然人の破産」とがあり、法人の破産とは会社の破産であり、自然人の破産とは個人破産(消費者破産と呼ばれる)である。
また、自己破産とは、裁判所に対して債務者自身が破産の申立てをする場合をいう。
自己破産の申立てで、もっとも注意しなければならないのは、破産の申立てをして破産宣告がなされたからといって、借金は免除されないという点だ。
借金を免除してもらうためには、破産宣告が確定した後に、裁判所に対して免責の申立てを別途行なう必要がある。
これが免責制度と呼ばれるもので、この手続きを忘れると、破産者になった状態で借金は残ることになり、サラ金業者からの取立ても続くことになる。
このように債務者が借金から解放されるためには、破産の申立て、免責の申立てという二段階を踏むことになるが、これには理由がある。
現行破産法は、1922年にドイツ破産法をモデルに制定されたが、事業者破産を念頭に置いたもので、破産法には免責制度は採用されていなかった。
英米法をモデルに免責制度が導入されたのは、戦後の1952年のことである。
そのために、破産手続きと免責手続きは別々に行なわなければならず、破産宣告がなされた段階で破産手続きが終了し、
借金地獄から解放されたと一部の人に誤解を招く結果ともなっている。
破産・免責制度は、破産者を債務の重荷から解放し、再出発の機会を与えようというもので、
これは個人の尊重・生命・自由・幸福追求権を定めている憲法13条や国民の生存権、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を定めている憲法25条の精神にも合致し、基本的人権の制度的保障のひとつと位置づけることができる。
話は少々難しくなったが、今日、年間約6万人の人が自己破産し、その多くは再起していることを考えると、破産・免責制度が消費者、多重債務者にとっていかに重要な制度かがわかる。
これは、多重債務で苦しんだ末に自己破産を体験したある人の感想である。
「わたしがもし、あのまま自己破産の申立てをしないで、逃亡生活を続けていれば、いまごろ、どうなっていたかわからない。
きっと、まともな就職をすることもできなかっただろう。
そして、おそらく債権者の厳しい取立てから逃げ続け、人生の敗北者のように生きていたことだろう。
いま思えば、たかが借金のために妻や子供にまで迷惑をかけることはない。
まして、借金を返すために犯罪をおかして、一度しかない自分の人生を棒に振ってしまうことはない。
免責決定されたいま、わたしは借金地獄から解放され、これからの人生を希望をもってやり直しているところだ」
自己破産制度が彼を救ったのである。
自己破産をした多くの人は、彼のようにこれまでの生活を建て直し、普通の暮らしを営んでいる。
カテゴリー:自己破産
自己破産の手続きは本人でもできる
ここでは、自己破産の手続きはどうするかということをまとめておきたい。
自己破産手続きは、
「破産申立て」 → 「破産審尋」 → 「破産宣告」 → 「免責申立て」 → 「免責審尋」 → 「免責決定」
という流れになる。
自己破産の申立ては債務者本人の住所地または居所を管轄する地方裁判所または支部に対して行なう。
したがって自己破産の申立てを行なう場合は、住民票があるところではなく、現に住んでいる住所地を管轄する地方裁判所または支部に申し立てることになる。
裁判所はこの申立てがあると、破産すべき原因があるかどうかを審理する。
この審理は、申立て人が提出した書面や書類の審理と、裁判官が申立て人に直接質問する審尋とによって行なわ破産者の財産は処分されることもなく、破産手続きは終了する。
また、面や書類の審理と、裁判官が申立て人に直接質問する審尋とによって行なわれる。
破産申立て後1〜2ヶ月たってから裁判所から呼び出しがあり、破産申立ての内容について口頭で質問を受けることになる。
この審尋は通常1〜2回程度で終わり、その後、裁判所が破産原因があると認めれば破産宣告がなされる。
裁判所は破産宣告と同時に破産管財人を選任し、その後は破産管財人が破産者の財産を売却して金銭にかえ、債権者の債権額に応じて公平に分配することになる。
ただし、破産者の財産が非常に少なく、破産手続きを進めてもその費用すら捻出できないことが破産宣告前にわかっている場合は、裁判所は破産宣告と同時に破産廃止の決定をし、破産手続きを終わらせる宣言をする。
これを同時廃止という。
この場合、破産管財人は選任されず、破産者の財産は処分されることもなく、破産手続きは終了する。
また、破産管財人が選任され、財産等の調査をした結果、配当すべきものがないことがわかった場合は、破産手続きは途中で終わる。
これを異時廃止という。
破産宣告がなされた後、破産者は免責の申立てをすることになる。
この申立ては、破産宣告を受けた裁判所に対して行ない、再び免責についての審尋が行なわれ、免責が確定すれば借金は免除になり、復権することになる。
この間、自己破産する者がとる手続きは、自己破産申立ての書類(添付書類が多くある)の作成、免責申立ての書類の作成、それに裁判所に呼ばれて行なう数回の審尋だけである。
自己破産の申立てをした人の多くは、今まで債権者の取立ての応答や金策に走り回っていたなどの苦労から解放され、急に静かな生活が戻ってきたという印象すら持つ人がいるようである。
この自己破産の申立てから免責までの裁判所に対する手続きは、債務者本人でも十分することが可能である。
なお、自己破産の申立ての書式は市販されているものもあるので(東京地方裁判所の場合、一階の弁護士控室にある司法協会で販売。420円)、裁判所の受付窓口で聞くのもよいし、
また、弁護士会の法律相談などを活用して、随時相談しながら手続きを進めるのもいいだろう。
ただし、免責が得られるかどうか微妙なケースの場合などは、プロである弁護士に依頼するのがベターである。
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