住宅がある場合の自己破産
最近、住宅ローン破産が話題になっている。
住宅ローン破産の実態と破産に至る前の対策については、以前の記事で説明しているので、ここでは住宅ローンで破産した場合にどうなるかについて触れておこう。
まず、住宅ローン破産の道をたどった人の例から紹介すると、
都内の大手企業に勤める40代のサラリーマン・Aさんは、バブル時代に念願だった一戸建てを栃木県に購入した。
ローン返済のため貯金もできなくなったが、それなりに幸せだった。
ところがバブルの崩壊で収入は伸びず、2人の子が年子で誕生した。
生活のために手を出した借金がたちまち増えて1000万円を超え、住宅ローンの借金と合わせると6000万円にも達した。
そこで自宅を手放そうとしたが、売れたとしても住宅に設定した担保が抜けないような催しかつかず、結局、Aさんの自宅は競売を申し立てられた。
この例は典型的な住宅ローン破産である。
現代の中高年は多くの人が住宅ローンを抱えており、そのほか家電製品、車などもローンを利用して買う人が多く、破産と背中合わせといえる。
このような人たちが失業や収入減といった憂き目にあったり、本来喜ぶべき子供の出産などが重なると多重債務者になり、借金地獄の道を突き進むことになる。
さらに住宅ローンで苦しんでいる人にとって悪い状況は、一昔前なら「住宅ローンが支払えなくなったら売ればいい」ということがよくいわれたが、
現在は地価の下落で住宅を売っても借金は残るという状況だ。
こうした状況下でいっそのこと自己破産したほうがよいと考える人が多くなっているのも事実である。
さて、住宅がある場合、自己破産の申立てをし破産宣告がなされると、通常は破産管財人が選任されて、住宅などの財産の売却・換金・債権者への配当といった手続きがとられる。
破産者はせっかく手に入れた住宅・家財道具など一部の差押禁止財産を除いて処分される。
配当が完了すると計算報告のために債権者集会が招集され、その債権者集会が終わると、裁判所が破産終結の決定をして破産手続きは終了する。
この破産宣告から破産手続き終了までは少なくとも1年以上はかかり、換価が困難な不動産がある場合は数年もかかる例がある。
この場合、破産者として重要なことは破産終結までに免責の申立てをするということである。
住宅ローンで自己破産をする人の多くは、
「住宅を持つことが一生の夢だった。そのために一所懸命働いてきたのに…、」
と思う人がほとんどだろう。
しかし、借金地獄のなか、取立てに追われ、いずれは手放すことになる住宅を必死で守るより、財産もなく借金もない、きれいさっぱりした状態にして再起を図ることこそ大切である。
財産は新たにまた築けばよいのである。
なお、破産者はいずれ住宅は立ち退くことになるが、処分が決まるまでの間は住み続けることができる場合もあるので、破産管財人と相談して立退日などは決めるとよい。
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