自己破産手続き中の強制執行にはどう対応するか
債権回収の最終手段に強制執行というものがある。
これは相手の財産を差し押さえて、換価することにより債権回収を図るというものである。
最近、この強制執行という法的手段を使って債権回収を図ってくる業者がいる。
これは、裁判実務上の取扱いが破産手続きと免責手続きを別個の手続きと考え、免責手続き中の強制執行を認めているからである。
これには反対論も多い。
わかりやすく説明すると、免責の申立てをし免責の決定が出るまでに約5〜6ヶ月の期間があるので、その間に債務者の財産を差押え、競売などして債権回収を図ろうというのである。
差押えの対象となるのは、不動産・動産・金銭債権などがあるが、破産宣告後も所有している財産となれば、動産(差押禁止財産以外の家財道具など)とサラリーマンであれば給料などということになる。
では、こうした債権者の強制執行に対し、破産者はどう対応すればよいのだろうか。
訴訟提起をしたり強制執行手続きを行なおうとしている業者に対し、すでに裁判所で破産宣告と同時廃止決定が出ていることを、決定正本の写しを送付するなどして通知し、訴訟や強制執行の申立てを取り下げるように交渉することである。
実際は、すでに破産宣告と同時廃止決定がなされ、現在免責手続き中であることがわかれば、大部分の業者が訴訟や強制執行の申立てを取り下げるはずである。
なぜなら、もし債務者が免責決定になれば、業者のほうはその破産債権を損金処理できる税法上のメリットがあるからだ。
取り下げない業者に対する対抗策としては、業者が提起した訴訟手続きについては徹底的に争って引き延ばし戦術をとる一方で、
破産裁判所に対し、
「債権者が強制執行手続きをとってきているので、免責手続きを促進し、早急に免責決定を出してもらいたい」
旨の上申書を出すことである。
また、当初より債権者の訴訟提起や強制執行が予想される場合は、予納金はやや高くなるが、
同時破産廃止事件にしないで破産管財人を選任してもらい、管財事件にすることにより個別債権者の訴訟や強制執行を防ぐという方法もある。
とは言うものの、債権者が強制執行してきた場合は、破産者本人が対抗するのは大変なので、専門家である弁護士に相談するのが最善の方法である。
自己破産・免責手続き中の強制執行に関しては、
自己破産の趣旨である多重債務者の救済と生活再建という観点からすると問題であり、法改正も含めて改善すべき課題と考えている。
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