自己破産では保証人こそが大悲劇
昨今の自己破産の急増は、多くの保証人を巻き込んでおり、本人が借金をしていないのに、厳しい取立てにさらされるという悲劇となっている。
弁護士の所に相談に来た事件で、こうした保証人の典型的のような例があったので紹介する。
Aさんは友人の保証人になったが、その友人は多額の借金を抱えて自殺した。
その借金は子供などの相続人に引き継がれるはずであったが、相続人が相続放棄をしたために、借金の取立ては保証人であるAさんに集中した。
ちなみに友人の子供たちは、生命保険は相続放棄とは関係がないので受け取っていた。
Aさんは仕方なく月々の返済をしていたが、支払いが遅延するときがあり、貸金業者の要求に応じて、嫁にいっている娘を保証人に立てた。
Aさんの支払いが続いているうちはよかったのであるが、やがてAさんも過労から病気となり、今度はAさんの娘に取立てが行くようになったのである。
まさにドラマのような話であるが、保証人の怖さはこれでわかってもらえたと思う。
保証人を頼まれる場合、頼みにくる人が子や親兄弟であったり友人であったりして断りづらいのはわかるが、情に流されず、断固断ることが大切である。
さて、本論の「自己破産したとき、保証人はどうなるか」ということであるが、自己破産・免責決定は保証人にはまったく影響を及ぼすことはない。
したがって保証人の責任はなくなることはなく、取立ては保証人に集中することになる。
さらに保証人にとって悪いことには、自己破産した場合、期限の利益が喪失し、債務者が抱えている借金を保証人は一度に一括して支払わなければならなくなる。
このように保証人に重い責任がのしかかってくるが、この場合、保証人に支払い能力がなければ、自己破産を考えざるを得なくなる。
特に、夫婦の一方が借金をし、もう一方が保証人になっているケースでは、夫婦そろって自己破産せざるを得ないだろう。
自己破産は保証人に多大の迷惑をかけるので、自己破産する人は、事前に保証人と十分に話し合うことである。
一方、保証人側としての対応は、次の三つが考えられる。
(1) 債務者とともに自己破産を申し立てる
(2) 債務者の自己破産と並行して、保証 人は任意整理をする
(3) 債務者に自己破産を断念してもらい、保証人と協力して任意整理する
いずれにせよ、保証人は自分で借金もしていないのに、保証した債務の金額を支払わなければならず、こんな迷惑な話はないだろう。
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